現在、在宅勤務など、オフィスに通勤せずに自宅や離れたところで働くテレワークが普及しつつあり、導入を検討する企業も増えてきています。

きっかけとなったのは、2020年の新型コロナウイルスの対策として行われた緊急事態宣言で、これを機にテレワークの導入を開始した企業は数多く存在します。

テレワークという新しい勤労形態は、企業とその社員に何をもたらすのでしょうか。

この記事では、企業がテレワークを導入するメリットについて解説していきます。

テレワークによる企業側のメリット

テレワークを導入しようにも、どのようなメリットがあるかわからない状態での導入は難しいでしょう。

テレワークについて国土交通省が満足度や実施意向について調査したところ、「約 64%の人がテレワークに総合的に満足しており、今後も実施したい人は約82%であった」というデータが報告されています。

なぜ、テレワークはそれほどまでに高い支持を得ているのでしょうか。

まずはテレワークによる企業側のメリットを解説していきます。

【国土交通省】「テレワーク実施者の割合が昨年度から倍増!~令和2年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~」

雇用の幅が広がる

まず一つ目に、雇用の幅が広がるというメリットがあります。

テレワークという場所にとらわれない働き方で、事業所から遠くに住む人材を雇用できるというのは企業にとっては重要なメリットの一つです。

テレワークを導入することで、優秀な人材の採用を物理的距離や個人のライフスタイルによる理由で見送らなければならない事態が減ります。

以上のように、売り手市場と言われている現代で、優秀な人材を確保しやすいという観点からテレワークに期待が寄せられています。

コストの削減

出社、出張等でかかっていた移動コストもテレワークの導入によって削減することができます。

本来であれば先方のオフィスに出向いて会議や商談を行なっていたところを、Web会議を活用することで移動コストを大幅に削減可能です。

特に遠方の場合など、交通費の高い新幹線や飛行機を使用して、わざわざ先方のオフィスに出向く必要がなくなるのは嬉しい変化です。

また、出社する人数を減らすことで出社のための移動コストと同時にオフィスコストも削減が可能になります。

出社する必要のない社員をテレワークにすることで大きなオフィスを所有する必要が無くなり、机や椅子などの作業環境も維持する必要もなくなります。

実際に、テレワークを本格導入したことで、面積の小さいオフィスに移転した企業も少なくありません。

緊急事態に強い

2020年の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言からテレワークを始めたという企業は多いです。

そんな背景からもわかるように、パンデミックや災害が起きても、継続して業務ができる点は、テレワークのメリットとして明らかでしょう。

パンデミックや災害は予測ができないものですので、柔軟な働き方に対応できていないと、突然、事業が継続できなくなるというリスクがあるのです。

緊急事態の際に業務を行えなくなることがないように、不測の事態に備えて、早めにテレワークの導入を考えておきましょう。

営業効率の向上

テレワークによって物理的距離という考え方が取り払われるということは、交通費などの移動コストのみならず、先方へ出向く際の移動時間も削減が可能ということにもなります。

移動時間が減ることで営業・商談の数を物理的・時間的に増やすことが可能となり、営業効率の向上に繋がっていきます。 例えば商談をオンラインに切り替えたことで、それまで1日2件であった商談数を4件にすることができれば、単純に営業効率は倍になります。

また、不足しがちな遠方の顧客とのコミュニケーションを増やすことで、アフターフォローも活性化させることができるので、積極的にWebミーティング等を活用してコミュニケーションを密に行うようにしましょう。

テレワークによる社員側のメリット

テレワークによる企業側のメリットは以上の通りでした。

しかし、テレワークのメリットは企業側だけではありません。

社員側のメリットには一体どのようなものがあるのでしょうか。

ここからは、テレワークにおける社員側のメリットについて紹介していきます。

通勤時間の短縮

社員側のメリットとして、通勤時間の短縮によって自由な時間が増えるという点があります。

特に通勤時間が長い人にとってはテレワークによって2~4時間ほど自由な時間が増えるという方もいらっしゃるでしょう。

また、朝の通勤ラッシュでは、会社に行くだけで体力が削られてしまうということがあるかと思います。

テレワークの浸透によって通勤のストレスが無くなり、ワークライフバランスの充実にも繋がります。

生産性の向上

オフィスでの作業はコミュニケーションがしやすい反面、個人で集中する作業が中断されやすいというデメリットも抱えています。

テレワーク中のコミュニケーションは基本的にチャットベースとなり、声をかけられることにより作業が中断されることが大幅に減少します。

これによって、黙々と作業をするような業務形態の仕事であれば作業効率は上がると考えられています。

その他では、自分で働く環境が選べるという点も生産性の向上に繋がります。

自宅に作業用の快適な空間を作る方や好きなカフェに行って仕事する方、すでにテレワークで自身に合った働き方を選択している方も多いです。

働き方の多様化

働く場所にとらわれないため働き方に幅が生まれ、本来はできなかった働き方ができるようになるのも大きなメリットです。

最たる例としては家事・育児で現場に出られない女性がテレワークであれば仕事と家事・育児の両立が可能になるということが挙げられます。

社員側は失業のリスクを回避できるようになり、企業側としては優秀な人材を失うリスクを回避できるため、win-winな関係を築くことができます。

テレワークのデメリット

様々なメリットのあるテレワークですが、デメリットが全くない訳ではありません。

デメリットをあらかじめ知っておくと対策ができるので、ここからはテレワークにおけるデメリットについて紹介します。

勤怠管理の複雑化

最初に挙げられるデメリットとして、社員の働き方が見えない分、労働時間の管理が難しいという点があります。

テレワーク中は働いている時間とそうでない時間の区別が難しいので、勤怠管理がどうしても難しくなってしまいます。

そのため、テレワークを導入する際は、勤怠に関する報告の徹底や、勤怠管理に関するシステムの活用も前向きに検討する必要があります。

コミュニケーションの減少

テレワークを始めるとテキストベースの会話が基本になるため、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。

コミュニケーション不足への懸念はよく問題視されるデメリットでもあるため、コミュニケーションの減少を嫌ってテレワークの導入に後ろ向きな企業も見られます。

コミュニケーション不足による連携ミスやチームワークの低下を招かないためにも、社内共通のコミュニケーションルールが必要になるでしょう。

自己管理の重要性が上がる

テレワーク中は監視の目がないため、自己管理の重要性が高くなります。

そのため、社員の自己管理ができていないとテレワークを導入したとしても生産性が高まらないことも十分に考えられます。

会社規模でルールを設けることや個人でルールを決めておくことで、効率を落とさずテレワークが可能となるでしょう。

家にワークスペースが必要になる

テレワークを始めると今までオフィスにあった環境を自宅に用意する必要があります。

企業側からワークスペースの確保のために支援金を出すことが多いですが、どちらにせよコストがかかるというデメリットは拭えません。

また、そもそも自宅に仕事をする部屋を確保することが難しいケースもあります。

その場合、例えばリビングなどで、家族がいる中で、業務にあたる必要があるため、仕事に集中することが難しいという人も少なくないでしょう。

セキュリティリスク

セキュリティの問題が、テレワーク導入において、最初の大きな壁になるケースが非常に多いです。

テレワークを始めると今までオフィスで使っていたセキュリティが自宅では使えなくなってしまいます。

VPN等を活用するとしても、社内に情報インフラを扱う専門の人材が必要になりますし、自社の機密情報を扱う際には自宅での作業はセキュリティに不安があるという方も多いです。

また、他のデメリットはテレワークを始めながら、徐々に改善を図っていくことができますが、ことセキュリティに関しては、トラブルがあってはならないので、最初の段階できちんと整備しておく必要があります。

先述した他のデメリットと比べても、セキュリティリスクというのは大きなデメリットなのです。

社内でトラブルが解決できれば良いですが、自社セキュリティが甘かったために、顧客の情報漏洩を招くことがあれば社外にも迷惑がかかります。

そのような事態を招かないためにも、テレワークの際に新しい働き方に対応したセキュリティ環境を検討する必要があります。

しかし、新しいセキュリティを採用するとなると専門知識を理解する必要がある上にコストもかかってきます。

情報システム部などが自社にない会社は、何から手を付ければ良いのかわからないということにもなるでしょう。

テレワークはメリットも多いですが、環境を整えるコストやルールの設定が必要になるということに留意しておく必要があるのです。

セキュリティリスクには『いえからオフィス』が効果的

自宅でのセキュリティに不安が残るテレワークですが、『いえからオフィス』を使えば簡単にセキュリティ対策を行えます。

『いえからオフィス』は、オフィスに親機、自宅に子機をそれぞれ用意し、自宅のLANに接続するだけで、オフィスネットワークを社員自宅まで「拡張」できるサービスです。

今からでも簡単に導入できて、簡単にセキュリティ対策のできる『いえからオフィス』のメリットについて紹介していきます。

簡単に環境構築できる

『いえからオフィス』なら簡単に環境構築が可能となっており、専門知識が必要ありません。

先述の通り、親機と子機をオフィスと自宅に準備するだけでオフィスのセキュリティが自宅でも使用可能になります。

難しいセキュリティの専門知識がなくても簡単にセキュリティ対策ができるので、最も大きなテレワークの導入のハードルを下げてくれます。

セキュリティの連携も簡単

『いえからオフィス』なら自社のセキュリティとの連携も簡単です。

難しい知識や作業抜きで安全にテレワークを行うことができます。

SSIDもステルスモードに設定可能なため、ご近所の方にオフィスのSSIDが知られてしまうというリスクもありません。

まとめ

テレワークのメリットやデメリットについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

テレワークの導入の話になると社員側のメリットに注目してしまいがちですが、企業側にも十分にメリットがあります。

普及が進んでいるテレワークに一歩踏み出せないという企業様も、初期コストさえ乗り越えてしまえば、様々なメリットを感じることができるでしょう。

初期コストをおさえながらセキュリティの万全を期すためにも『いえからオフィス』の導入はおすすめです。

テレワークの導入は今からでも遅くはないので、これを機にテレワークの導入を考えてみてはいかがでしょうか。